外国人技能実習制度・特定技能制度の違いは?
外国人材の受入れを検討されている企業様にとって、「外国人技能実習制度」と「特定技能制度」の違いや、それぞれのメリット・デメリットは重要なポイントです。ここでは、両制度の特徴を整理してご紹介します。
制度の目的
- 外国人技能実習制度
- 日本で培った技能を開発途上国へ移転し、人材育成を通じて国際貢献を目的とする制度です。(法務省によると、)令和6年度末時点で、その数は約45万6000人にのぼり、国籍別に見るとベトナムがうち約47%、インドネシアが約22%、フィリピンが約9%を占めています。職種別は、建設関係が24%ともっとも多く、次に食品製造関係が約21%、機械・金属関係が約14%を占めています。
- 特定技能制度
- 人手不足が深刻な分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を「即戦力」として受け入れるための制度です。
その数は令和6年12月末時点で総じて28万人以上にのぼります。国籍の割合は技能実習と変わりありません。職業分野別にみると、飲食料品製造業が約26%、工業製品製造業が約16%、介護が約16%という割合を占めています。(また特定技能生の採用活動期間が短く済むことや、在留資格取得に必要な技能試験の開催数が増加しているため、今後も特定技能生の増加が見込まれることから、選ばれる人材の一つと言えます。)
技能実習は「国際貢献」、特定技能は「人手不足解消」という点で両者は異なります。
就業可能な職種と期間
- 技能実習制度
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- 対象
- 91職種168作業(令和7年3月時点)
- 在留期間
- 最長5年(1号1年+2号2年+3号2年)
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- 特定技能制度
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- 対象
- 16分野(介護、建設、農業、外食業など)
- 在留期間
- 特定技能1号:最長5年
特定技能2号:更新制限なし、永住申請も可能
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受入れ可能人数
- 技能実習制度
- 常勤職員数に応じて受入れ人数枠が設定されている
- 特定技能制度
- 原則人数制限なし(ただし介護・建設分野は別途規定あり)
技能実習と特定技能1号の比較
| 項目 | 技能実習 | 特定技能1号 |
|---|---|---|
| 在留資格 | 技能実習 | 特定技能 |
| 在留期間 | 最長5年 | 通算5年 |
| 入国時試験 | 原則なし(介護はN4要件あり) | 技能・日本語試験あり(実習2号修了者は免除) |
| 転職 | 原則不可 | 業務区分内で可能 |
| 家族帯同 | 不可 | 1号:不可/2号:可能 |
監理団体と登録支援機関の違い
- 監理団体(技能実習制度)
- 非営利団体(事業協同組合等)が、企業と実習生を制度枠組みにおいて監理。実習計画の適正運用、各種相談、受入れサポートを行います。
- 登録支援機関(特定技能制度)
- 出入国在留管理庁に登録された団体が、特定技能人材の生活や就労支援を受入れ企業に代わり引き受けます(入国前ガイダンス、住宅確保、行政手続き支援など)。